来季のためにも天皇杯を。無冠の浦和・ペトロビッチ監督が燃やす執念

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki 山添敏央●撮影 photo by Yamazoe Toshio

 両チームスコアレスのまま、延長戦にもつれこんだ120分間の激闘を制したのは、今季最後の一冠獲得にかける浦和レッズだった。

 12月29日、東京・味の素スタジアムで行なわれた天皇杯準決勝で、浦和は柏レイソルを1-0で下し、決勝へ駒を進めた。

天皇杯準決勝、浦和対柏。延長戦でゴールを決めたのは、途中出場の李忠成だった天皇杯準決勝、浦和対柏。延長戦でゴールを決めたのは、途中出場の李忠成だった ファーストステージを無敗優勝し、今季こそ、ついにJ1制覇を果たすかに思われた浦和。しかし、シーズンが終盤に近づくにつれ、次第に勢いが失われていく近年の悪癖がまたしても表出。セカンドステージでは4位に終わると、年間順位でもサンフレッチェ広島に競り負け、2位にとどまった。

 最後はJリーグチャンピオンシップ準決勝でガンバ大阪に敗れ、結局は3位で終戦。リーグ優勝を手中にしかけながら終盤の失速でタイトルを逃す。浦和はこのところ、そんなシーズンが3季も続いている。

「スポーツの世界では勝利者が評価される。タイトルを手にしていないことで、自分たちがやっているサッカーはなかなか評価されない」

 浦和のペトロビッチ監督はもどかしそうにそう語ると、「1シーズンで4敗しかしていないチームはJリーグ史上でも数少ないのではないだろうか。負けた試合も含めて、我々のほうが(内容で)上回っていた試合がほとんどなのだが......」と言って嘆いた。

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