福田正博が名波監督に聞く。ジュビロJ1昇格の壮絶な「舞台裏」 (2ページ目)
福田 それは、ちょっとやり過ぎじゃない?
名波 ほんと、やり過ぎ。ゴールを決められて、選手がピッチ上でひれ伏しているとかね。
福田 そのあと、名波監督の姿や表情を抜いたシーンがあったりして。
名波 そう。自分がずっと棒立ちでね。もう何も考えられない、みたいな。もちろん、選手たちがバチバチ競り合っていたり、スーパーゴールのシーンもあったりして、"チームはひとつ"だよっていうのを表現したイメージで作ってあったけど。
福田 その映像を見たあと、選手たちの反応はどうだったの?
名波 ちょっと涙ぐむというか......。まあ、グッとくるような映像だったからね。自分はやり過ぎかなって思ったけど、今季から新たに入った選手が結構多かったんで、スタメンでも半分くらいかな、彼らは昨年の悔しさを知らないから、チームとしては(その映像は)非常にいい影響を与えたと思う。
福田 そうしてモチベーションを上げて、試合に臨んだわけだけど、大分も相当アグレッシブにきていたね。
名波 立ち上がりは、こっちもちょっと硬かったんだけど、大分がほんと、前からガンガンきた。それに対して、うちのラインは低くも高くもない、ちょうどいいラインを保っていたんだけど、相手のファーストタッチがよかったり、わりとラフなボールが背後に入ったりして、GKのカミンスキーと1対1の場面を作られることが、いきなり3回くらいあったかな。
福田 開始10分、いや6分くらいかな、それぐらいの短い時間でかなりのピンチを迎えていた。
名波 あの時間帯が一番苦しかったかな。
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