福田正博が提言。Jリーグチャンピオンシップと2ステージ制の功罪 (3ページ目)

 もちろん、プロだから興行面は無視できない。春秋開催のメリットもあるだろう。ただし、そちらにばかり偏ってしまうのもよくない。日本サッカー全体のレベルアップに、Jリーグがどうつながっていくのか。そのために資金が必要なのもわかる。だが、興行収入だけを追求して、「日本サッカーの強化」という本質の部分をおろそかにしてはいけない。日本サッカーがさらにレベルアップするためにどうすべきか。そのことをもっと論じていくべきだろう。

 私自身は、チャンピオンシップはあっていいと思っているが、そのために2ステージ制であるべきかどうかは、議論の余地があると思う。

 たしかに、今シーズン、Jリーグ全体の注目度を上げるという狙いはある程度達成できたと思うので、そこは一定の評価をすべきだ。それでも、私の考えとしては、J1が現在のチーム数のままなら、2ステージよりも1ステージがいいと思っている。そのうえで、チャンピオンシップの開催方式の分かりづらさを少しでも解消しながら、1ステージ制に戻すかどうかの議論を続けていくべきと考えている。

 日本の場合、プロ野球のクライマックスシリーズのようなやり方がいいのではないか。たとえば、J1の年間上位4チームがトーナメント方式のチャンピオンシップに出場して、上位が有利になり、下位が不利になるようなルールを作る。あるいは、チャンピオンシップ出場チームを年間上位6チームにすれば、より多くのチームにチャンピオンシップ出場の可能性が残ることでシーズン終盤まで出場権争いが続き、ファンの興味が削がれないようにもなる。その場合、上位クラブにさらにアドバンテージを与えて、下位のクラブが優勝することがより難しい仕組みにする必要があるだろう。

 また、2ステージ制がJリーグに適しているのかどうかの論争になったときに、ヨーロッパの主要リーグ(プレミアリーグ、リーガエスパニョーラ、ブンデスリーガ、セリエA)をモデルにして、今までどおりの1ステージ制がいいという意見がある。

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