【育将・今西和男】上野展裕「今西―オフト体制に憧れていた」

  • 木村元彦●文 text by Kimura Yukihiko   photo by AFLO

『育将・今西和男』 連載第17回
門徒たちが語る師の教え レノファ山口監督 上野展裕(1)

レノファ山口を指揮する上野展裕監督。J3で優勝し、J2昇格を果たしたレノファ山口を指揮する上野展裕監督。J3で優勝し、J2昇格を果たした

 上野展裕(のぶひろ)とは、Jリーグアウォーズの会場である新高輪プリンス ホテルで待ち合わせた。2014年、JFLに昇格したばかりのレノファ山口の監督に就任するや4位に食い込み、いきなりJ3に昇格。それだけでも輝かしい実績であるのだが、今年はJ3という初のステージで、おそらくは誰しもが予想をしなかった見事なスタートダッシュ(開幕してから、長野戦での黒星を挟んで5連勝を2度達成)から優勝を成し遂げた。この結果、2年前まで地域リーグを戦っていたレノファ山口は、猛スピードで来季からはJ2に昇格することになった。

 特筆すべきは、そのスタイルが結果に執着する手堅いサッカーではなく、爆発的な得点力で相手をねじ伏せる超アグレッシブな攻撃サッカーであるという ことだ。実にJ3の得点ランキングのベスト3を岸田和人、福満隆貴、島屋八徳 とレノファの選手で独占しており、チームとしても36試合で96点を叩き出している。幾多のアスリートを輩出しながら、プロスポーツの空白県と言われた 山口のサポーターが一気に盛り上がったのは、昇格という結実のみならず、毎 試合ごとのこのゴールラッシュのカタルシスに因るところも大きい。2点くら い先制されても後半にひっくり返してしまう力強さに「あきらめない姿勢に県民も勇気をもらった」と村岡嗣政知事もコメントを出している。

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