大久保嘉人、佐藤寿人に思う。ストライカーに大切な「コミュ力」 (2ページ目)

 実際、大久保はこの3年間で、1シーズンあたり30試合以上に出場し続けて、コンスタントに点を取った。私は、そこをもっとも評価したい。そうした評価基準を多くの人が持っていないと、いいストライカーは育たないとも思う。今シーズンのプレミアリーグで、レスターが上位にいるのは、FWのバーディーがほぼ毎試合点を取り続けているからで、点を取り続ける選手がいるチームが上に行くという好例だろう。

 サッカーで点を取ることがどれだけ大変なことで、点を取るストライカーがゲームを決める存在としてどれだけ重要か。その意味では、Jリーグで一番年俸の高い日本人選手は得点王であってほしいとも思う。

 また、FWの役割は点を取ることだが、それは自分のためではなく、チームのためにそうしているという意識を持っているのが「いいストライカー」だと私は思っている。自分のキャリアアップのためだけにプレーしてしまう選手を、私は評価できない。

 ドーハ世代の選手たちは「日本サッカー発展のため」というある種の「使命感」を持っていた。そういう時代だった。日本サッカー全体のために戦って、日本のサッカー選手全員の思いを背負って戦った。私自身、チームのために戦うことがまずあって、そのことが結果的に自分のためにもなる、自分のステップアップにもつながると考えていた。

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