サンフレッチェ広島の強さは、世界3位に「満足しない」選手たち (3ページ目)

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

 大会前、「前回は(他の選手たちに)出させてもらったような感じだったが、今回はチームの中心としてやらないと」と決意を口にしていた塩谷は、充実感を漂わせてこう語る。

「個人的にはアフリカのチームとは今までやったことがなかったので、マゼンベ(アフリカ代表/コンゴ民主共和国)とやって独特の身体能力を経験できたことはよかったし、ずっと試合に出られたことはプラスになる。通用すること、しないことを感じることができて、自分にとってためになる大会だった」

 3年前には控えDFだった選手が、大黒柱として活躍する。こうした循環が、クラブが強くあり続けるためには欠かせない。この3年間の成長を象徴するのが塩谷ならば、当然、広島の未来のためには、"第二の塩谷"の台頭が必要となる。

 予兆はある。例えば、MF茶島雄介。

 今季J1でのリーグ戦出場はわずか3試合ながら、今大会は2列目のポジションに負傷者が相次いだことで3試合に先発出場。鋭いドリブルでチャンスメイクするなど、リーグ戦の成績からは想像もできないほどの活躍を見せた。

 キャプテンの青山は「見ている人はみんな驚いたかもしれないけど、茶島はこれくらいやれるし、やってくれて当然。これで満足してもらっても困る」と突き放すように言いながらも、こう続ける。

「それでも今大会、1試合ずつ成長しているのは感じていた。大事なのはレギュラーを取ることだし、活躍することだけど、いきなりは難しい。こういうチャンスを生かしながらだと思う。来季、レギュラー争いに食い込んでくるのは間違いない」

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