常勝アントラーズの大黒柱。小笠原満男が示す「プロの矜持」
それでも試合後、文句なしのMVPを獲得した小笠原はミックスゾーンに現れると、照れを隠すように、彼らしい言葉を口にした。
「(優勝できて)ホッとしたよ。恥かきたくなかったからさ」
そして、こう続けた。
「でも、まだまだこれからだよ」
Jリーグセカンドステージでも2位という結果を残して、確かにチームは復調の兆しを見せてきたが、これまでに誰よりも多くの栄冠を手にしてきた小笠原が、ひとつのタイトルで満足するはずはなかった。彼が目指すのは、「常勝軍団」の、強い鹿島の完全復活である。
来年には、37歳を迎える小笠原。しかし、誰よりも貪欲に勝利を求め、誰よりもピッチ上で輝いている限り、彼がやるべきことは尽きそうにない。
5 / 5