6度目の制覇。なぜ鹿島はこんなにナビスコ杯で強いのか? (3ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

 彼らのリーグ戦での最高成績を挙げれば、新潟6位(07年)、仙台2位(12年)、鳥栖5位(12、14年)といった具合だ。ところが、こうした力があるはずのクラブでも、ナビスコカップを勝ち上がることは容易ではない。

 少なからず若手選手に経験を与える場としての要素を持つ大会なのだから、主力同士がガチンコでぶつかり合う試合以上に、“アクシデント”は起きやすいはずである。要するに、もっと伏兵が決勝まで勝ち上がっていてもおかしくなさそうなものだが、実際には同じような顔ぶれが毎年のように決勝で対戦するというのが、ナビスコカップの特徴なのだ。

 今年決勝で敗れたG大阪は昨年に続き、2年連続の決勝進出だったし、昨年決勝で敗れたサンフレッチェ広島は10年にも決勝に進出している。

 こうしたクラブに共通するのは、若手育成に力を入れ、“血の入れ替え”を図りながら選手層を一定レベルに保っているということ。短期的には移籍を活用した選手補強で強くすることはできても、クラブ全体の選手層を厚く保とうと思えば、やはり若い選手を育てていくことが必須だ。

 その顕著な例が、鹿島ということになるのだろう。

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