一考の価値あり。本田圭佑をボランチで起用する利点を考える (2ページ目)

  • photo by Getty Images

 本田自身も縦へ突破する意識が強くあったため、攻撃のバリエーションを生むことにつながっていた。しかし、今季の本田はミランでトップ下に起用されていることもあるためか、日本代表で縦に突破する意識が以前より少ないように見受けられる。

 もちろん、W杯アジア2次予選では相手が引いて守っているため、突破を仕掛けるスペースがないということも一因にあるだろう。それでも、右サイドバックの酒井宏樹のオーバーラップを待ってサイドを崩したり、中央へクロスを上げるケースが多く、ドリブルで中央に仕掛けるシーンが以前より減っているのは気がかりだ。

 サイドアタッカーがドリブルで仕掛けなければ、DFは脅威を感じないため守りやすい。一方、人数をかけて中央を固めていても、サイドから中央のゴール前へドリブル突破をされると、その揺さぶりで守備陣は崩壊していく。

 たとえば、グアルディオラ監督が指揮していた頃のバルセロナは、引いて守りを固める相手には、前線を3トップにして、両サイドの高い位置にペドロやテージョといったアタッカーを張らせて、そこから中央へドリブルを仕掛けさせた。そうしたプレーを続けることで、守備陣はサイドにスペースを与えるのが怖くなって次第に中央から分散し、ゴール前にスペースが生まれて結果的にゴールにつながった。

2 / 4

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る