レッズ武藤雄樹の正体「ストライカーとしての師匠は、佐藤寿人」 (5ページ目)

  • 飯尾篤史●取材・文 text by Iio Atsushi
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

――駆け引きや得点感覚を磨くために、普段から取り組んでいることって、ありますか?

「ルーティーンがあるわけじゃないんですけど、サッカーを見るのが好きなので、海外やJリーグのゴールハイライトを見て参考にしています。あと、移動中とかに自分の好きな選手の動画を見たり……」

――誰の動画を見るんですか?

「(ルイス・)スアレス(バルセロナ)が好きなんですよ。なんか、スアレスがプロ入りしてからの全ゴールシーンみたいな動画があって、たぶん10分ぐらいあると思うんですけど」

――それを、ずっと見ているんですか?

「見始めたら止まらなくて(笑)。ゴールが決められないなっていうときに、その映像を見てイメージをふくらませて、試合に臨んだりしています」

――サンフレッチェ広島の佐藤寿人選手のことも、好きなんですよね?

「そうなんです。寿人さんは、自分が大学生(流通経済大)のときからの憧れの存在で。それこそ大学時代、自分の方向性を見失ったときに、寿人さんのプレーを見てヒントを得たというか」

――大学時代は1年生のときから活躍していた印象がありますけど、方向性を見失っていたんですか?

「確かに1年のとき、JFLで15点ぐらい決めて、『俺、すげえじゃん』って思っていたんですけど(笑)、2年、3年になってうまくいかなくて。自分は何で勝負すべきなのかと悩んだ結果、裏への抜け出しやDFとの駆け引きを武器にしようと思い立って。ちょうどその頃、大学のチームメートのGK増田(卓也/流通経済大→サンフレッチェ広島)が特別指定選手として広島の練習に参加していて、試合映像のDVDを持っていたので、それを見て、寿人さんの動き方やポジショニングを勉強したんです」

――ストライカーとしての師匠は、佐藤寿人選手なんですね。

「本当にそうで、ずっと寿人さんのようになりたいって思っています。だから仙台時代、サポーターの方から寿人さんにプレーが似ていると言われて、寿人さんの(仙台時代の)応援歌を引き継がせてもらったのは、本当にうれしかったです」

(後編に続く)

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