【育将・今西和男】李漢宰「プロとして、あるべき姿を見せていきたい」 (4ページ目)

  • 木村元彦●文 text by Kimura Yukihiko
  • 織田桂子●写真 photo by Oda Keiko

 ハンジェは年俸が激減するも、懸命なリハビリで翌年には復帰を果たして、ボランチのレギュラーとしてチームを牽引する。

 2013年、突然今西が志半ばで、経営責任を問われる形で解任を余儀なくされる。ハンジェは発表のあった試合後、一人で号泣した。多くの岐阜のサポーターやスポンサーが指摘するように、すでに経営が破綻していたようなクラブがJ2でやって来られたのは、途中から社長就任の依頼を受けた今西が火中の栗を拾ってくれたからである。しかも引き継いだ億単位の借金を背負わせたままの解任であった。ハンジェの涙はいつまでも止まらなかった。

今、FC町田ゼルビアでキャプテンとして、今西の意志を継いでいる。

「ゼルビアに今西さんが係わっているわけじゃないですけど、やっぱり僕も似たように大事にしている部分があるんです。プロとして、社会人として、まずあるべき姿というのを大切にしたい。一人の人間として成長することで、チームへの還元というのはできると思うので、そこをもっとみんなが自覚を持ってくれるように引っ張っていきたいと思っています」

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