日本代表で香川真司が「らしさ」を取り戻せた最大の要因は? (2ページ目)

  • photo by Fujita Masato

 そんな香川が、アフガニスタン戦の前半10分にミドルレンジから積極的にシュートを打ってゴールを決めた。これは、9月3日に行なわれたカンボジア戦前半の決定機を外していたことが影響していたのではないか。それがゴールへの強い意識を持つきっかけになり、ドルトムントの香川ならばシュートを打たないエリアでの思い切りの良さにつながったのだろう。

 試合開始後、早い時間帯でのゴールで「得点を決める」という重圧から解放されたのか、香川はドルトムントで見せているパス&GOを主体とするプレーでリズムに乗っていった。

 アフガニスタン戦で香川らしさを出せた要因は、もうひとつある。この試合でサイドアタッカーに原口元気が起用されたことだ。原口や宇佐美貴史のような「シュート意識が強く、ドリブルを武器にする高い技術力の選手」がメンバーに入ると、香川は持ち味を発揮しやすくなる。

 それはドルトムントでのプレーを見ても明らかだ。わずかでもシュートチャンスがあれば果敢にゴールへ突き進むマルコ・ロイス、ボールを持てばドリブルで仕掛けていくミキタリアン、爆発的なスピードで縦に抜けるオーバメヤンという3人のアタッカーと連係して、香川はその特長を最大限に発揮している。

 香川は足もとの技術に長けているが、決してドリブラーではない。味方とのワン・ツーや、パスを受けてからのターン、細かいタッチでDFをかわすことを得意にしている選手だ。

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