福田正博が解説。
アフガニスタン戦で日本がゴールを量産するには?

 そのため、2列目、3列目からゴール前に飛び込んでくる3人目、4人目の動きが必要になる。相手DFにとって視野の外から飛び込まれるとマークしづらく、パスの出し手にとっては選択肢が増える。

 一方、シンガポール戦は中央からの攻撃偏重で無得点に終わったが、中央を使うことが悪いわけではない。中央からシュートを撃つことができればそれがベストだ。なぜなら、シュートコースがもっとも多くなるのがゴール前中央だからだ。サイドになればなるほどシュートの角度は狭くなる。だからこそ、守備側はゴール前の中央を固め、相手をサイドに追い出すことができればシュートアングルを限定できるので失点のリスクは減る。

 ゴール前の中央を固めている相手に対して、単純にサイドを使って攻撃を仕掛けても効果は薄い。そこでポイントになるのが、ゴール前を固める相手の意識を、中央への縦パスでさらに真ん中へ向けさせることだ。当然、相手DFの人数が多い状況でゴール前に縦パスを入れれば、受け手のFWがボールを奪われる可能性もあるが、その位置でボールを奪われても失点のリスクは低い。得点に直結しなくても、それを繰り返すことで、相手守備陣はより中央に集結する。

 たとえば、バルセロナは右からはメッシ、左からはネイマールがサイドから中央へドリブル突破を狙い、相手の守備ブロックがほぼゴールエリアの幅になるぐらい中央に押しこんでいく。ドリブル突破だけではなく、イニエスタら中盤からFWスアレスへの縦パスも、相手守備陣を中央に寄せるプレーになる。

 その結果、ペナルティエリアのサイドにスペースができるので、その時にサイドから攻撃を仕掛ける。つまり、バルセロナのサイド攻撃は「パスの出し手がペナルティエリアに入ることができるサイド攻撃」になっている。だからこそ、サイド攻撃の効果が倍増する。ゴールエリアのすぐ外のサイドのスペースをイニエスタやラキティッチ、あるいは左右のサイドバックが使う。このとき、敵がサイドをケアしてくる場合は、中央にスペースができるので、中央にいるスアレスや前線のメッシ、ネイマールが中央を狙って攻撃を仕掛ける。

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