福田正博が考える「東アジア杯最下位のハリルJの問題点」 (2ページ目)

 結果論になるが、事前に気候条件やスケジュールが厳しいことはわかっていたのだから、20歳前後の若手を連れて行って経験を積ませた方が有意義な時間になったのではないかと考えてしまう。

 そして、なにより残念だったのが、日本代表としての気概を、選手たちからほとんど感じられなかったことだ。

 初めて代表入りした選手であれば、どうしても自分のことに集中してしまうので「国を代表している」という自覚を持つことが難しいだろう。そこは仕方がない面はあるが、それ以外の代表経験者たちの「日本代表」としての意識が希薄に見えた。

「貪欲に勝利にこだわる」、「日本のすべてのサッカー選手を代表して戦う」というメンタリティの部分で、海外組に依存してきたことが浮き彫りになったと思うし、ハリルホジッチ監督の狙いや戦術が、選手たちに浸透していない印象もあった。

 それが顕著だったのは、2戦目の韓国戦だった。

 ハリルホジッチ監督としては、過密日程や暑さ、メンバーのコンディションを考えて堅実な戦い方で負けるリスクを減らし、少ないチャンスでいかに勝つかを探った面もあっただろう。そして、残り20分を切ったところから、勝ち越し点を奪うために浅野や宇佐美貴史、川又堅碁といった前線の選手を投入していった。

 しかし、韓国戦で勝利しなければ優勝の可能性が消えるにもかかわらず、ピッチでプレーする選手たちからは、リスクを冒してゴールを奪うという気迫は感じられなかった。

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