高校サッカー界屈指の練習量を誇る国見。その驚愕の「夏合宿」 (2ページ目)

  • 川端康生●構成 text by Kawabata Yasuo
  • photo by AFLO SPORT

――真夏の暑い日に、3、4試合もやっていたんですか。

「そう。しかも僕らは、他の学校が試合をしているときも、ずっと走っていましたからね。他校の選手たちは、次の試合に備えて日陰で休んでいるのに......。新潟工高のグラウンドでやっていたと思うんですが、そこにはまた、いい具合に走る場所があったんですよ......。

 そればかりか、場合によっては、試合のハーフタイムの間にも走らされていました。前半の内容が悪かったりすると、確実です。でも、そんな状態にあっても、僕らは後半、いい試合をするわけですよ。だって、後半もダメだったりすると、また余計に走らされますから(笑)。ほんと、よく走らされましたよ。水も飲まずに、ね」

――今では常識の水分補給ですが、当時はまだだったんですね。

「僕らの頃はまだ、(練習中に)水を飲んではいけない時代でした。いやぁ~、今の選手なら、間違いなく倒れているでしょうね。

 もっとも、国見は普段からそれくらい厳しい練習をしていました。学校の裏に『タヌキ山』というところがあるんですが、そこをずっと走っていましたからね。途中、田んぼの用水路があるんですが、そこに横倒れになって、はまって動けなくなっているヤツとか、結構いましたよ。あまりにもきついから、そこで水分補給をしていたんです。もう、生きるための本能ですよ」

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