福田正博が分析する日本代表FW。ベストの人選と布陣は? (2ページ目)

  • photo by YUTAKA/AFLO SPORT

 また、快足の永井は、カードとしてベンチに置いておきたい選手だ。私自身は、永井は以前から代表に入ってほしいと思っている選手のひとり。永井には「速さ」という武器がある。ロンドン五輪で見せたように、前線からの守備も含めて、永井は世界に驚きを与えられるだけのスピードを持っている。永井のスピードのような「特殊能力」がないと相手に脅威を与えられないし、ゲームの流れを変えられない。

 たとえば、1点を守りきることが求められる展開のとき、前線に永井がいることでカウンターがあるという「脅威」を相手に与えることができる。守ると同時に、カウンターという武器を相手に見せて「スキがあったら反撃しますよ」と、相手にプレッシャーをかけておく。そうすることで、相手は思うように攻撃に出てくることができなくなる。

 そういった相手にとっての「怖さ」を持ったうえで守る。ただ守っているだけでは守りきれないということだ。これは欧州のトップクラブでも同じこと。今季、プレミアリーグで優勝したチェルシーであれば、1点を守りきる局面で守備を固めた状態でも、FWのドログバやレミーがカウンターを狙い、相手を常に牽制している。

 また、同じようなタイプの選手ばかりでは、相手との駆け引きがうまくできないので、「スピード」以外にも「高さ」「ドリブル」など、いろいろな特長を持つ選手がいてほしい。それによって戦い方のバリエーションが増え、相手に揺さぶりをかけることができるようになる。

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