日本代表がW杯で格上に勝利できるベストな中盤を考える

  • photo by YUTAKA/AFLO SPORT

 そして、格上との対戦になるW杯本大会でも、日本代表がアジア予選と同じように対応できるかどうかが問題だ。日本の場合、W杯本大会で対戦する相手はほとんどが格上。4-3-3の布陣で前からプレスをかけてもハマらないときのことも考えるべきだろう。

 仮に、W杯本大会で日本がドイツと戦ったら、アンカーひとりでは守りきることは現実的に難しい。前からプレッシャーをかけてボールを奪おうとしても、プレスを回避されて全体のコンパクトさがなくなってしまい、その結果、中央やサイドのスペースを使われてそこで起点を作られてしまったら、守備の混乱を招く。

 あるいは、相手のセンターフォワードにイブラヒモビッチのような長身FWがいて、そこへロングボールを放り込まれたら、日本の中盤の上空をボールが通過していくので前からのプレスがハマらない。そう考えていくと、格上と戦うときは、ボランチふたりとセンターバックふたりの4人で守るほうが安定しているといえる。その場合の中盤は、長谷部と蛍がダブルボランチを組むことがいいと私は考えている。そして、ハリルホジッチ監督は、相手に合わせてその変更ができるはずだ。

 ハリルホジッチ監督が就任以来、もっとも強調していることが「前に出ていくこと」だ。テンポを速くして、ひとりひとりの判断スピードも含めてプレースピードを上げて前へ出ていく。これはドイツ代表がやっていることでもある。ひとりがボールを持つ時間を2秒、あるいは1秒と短くしていく。そのためには、判断のスピードを高めて、技術を高めなくてはいけない。正確に速く、次のプレーを読む力も必要になる。

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