柏・工藤壮人「海外勢との戦いで問われるのは適応力」 (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki photo by Getty Images

 2007、2008年に浦和、ガンバ大阪が連覇した時代とは違う。過去5年間、Jリーグクラブでベスト4以上に進んだのは柏だけ、他のアジア勢の戦力向上が目覚ましい。どのチームも相応のポテンシャルを持ち、最近まで格下と見られてきた東南アジアのクラブも例外ではないだろう。

 第2節、柏はベトナムのビン・ズオンを工藤の2得点などで5-1と下したが、スコアほどの差はなかった。

「ビン・ズオンはベトナム人選手が地味というか、技術的にも体力的にもあまり目立たないんです。ただ、そこに8番のような外国人選手(ウガンダ代表のMF、モセス・オロヤ)が入ることで、チーム全体が落ち着くんですよ。最終節はアウエーで戦う相手ですが、東南アジアは気候やピッチも独特の雰囲気になって、何が起こるか分からない感じで。どこを相手にしても気は抜けない」

 Jリーグが弱体化したというより、適応力が問われている。

「中国の選手なんかは、一人一人のフィジカルがメチャクチャ強くて、がしゃんと潰してくるんです。それだけと言えばそれだけなんですよ。でも、そこに南米など外国人選手が絡んでくるとかなり厄介で」

 工藤は苦々しい顔つきになって説明する。第3節、本拠地での山東魯能(中国)戦は抜群のパスワークで上回って2-1と勝利したが、結果はどう転んでもおかしくはなかった。

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