不調でもJ1首位。浦和レッズの本領はこれから発揮される! (2ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki photo by Getty Images

 それだけにACL敗退後の初戦となった4月25日のJ1第7節、名古屋戦は重要だった。惨敗のショックを引きずるようなら、J1でもズルズルと後退しかねなかったからだ。

 しかし、浦和は2-1で勝利した。スコアのうえでは1点差の辛勝も、敵将・西野朗監督が「内容的には点差以上の差を感じた」と語るほど、名古屋を圧倒しての完勝だった。

 たしかにこの日の浦和は、これまでとは一味違うコンビネーションを披露していた。ボランチの柏木陽介が「今日は(選手同士の)距離感がよかった」と語ったように、テンポよくパスがつながった。柏木は言う。

「ズラタンへ斜めの(クサビの)パスが入るようになってきたし、シャドーとサイドのコンビネーションがよかったので、サイドの選手がいい形で中に入ってくることができた」

 象徴的なのが、先制点のシーンだ。

 DF森脇良太が右サイドからドリブルで持ち上がり、1トップのズラタンへ斜めのパスを入れると、これに合わせて右サイドから関根貴大がゴール前に走り込む。関根はズラタンからワンタッチのパスを受け、相手DFとの競り合いで混戦にはなったものの、最後は左足でシュート。人とボールの動きがかみ合ったゴールだった。

 この試合、確実に新戦力がチームに適応し始めていた。左サイドで武藤と連係することが多かった宇賀神友弥は「武藤がいい形で前を向いたり、相手が寄せて来ていたらワンタッチでさばいたりすることができていたので、自分はそれに合わせて動くことができた」と語り、こう続ける。

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