福田正博が遅咲きのアタッカー・武藤嘉紀に期待すること (2ページ目)

 今年はJリーグ2シーズン目で、マークが厳しくなって苦労するかと思ったが、ここまで5ゴール(7節終了時点)と、FC東京を引っ張っていく中心選手になっている。昨年よりもスケールアップしている印象だ。

 スピードと技術のレベルアップとともに、ゴールへの気持ちがさらに強くなっている。そして、DFに身体を寄せられても転ばない身体能力の高さがあり、チームで、頭ひとつ抜けた存在になりつつある。この先、ゴールをよりたくさん取っていくことで、自信を深めていけるだろう。どこまで成長していくのか楽しみだ。

 武藤は昨年9月のウルグアイ戦でA代表に初招集されたが、彼にとってこれが初の代表チームでのプレーだった。つまり、年代別代表に呼ばれた経験はなく、選手としては遅咲きといえる。ユース年代から代表に選ばれている同年代の宇佐美貴史とは対照的だ。だからこそ、もっとやらなければ生き残れないという謙虚さを持っている。

 宇佐美を目標のひとりとして追いかけてきた今の武藤の存在は、宇佐美にとって間違いなく刺激になっているはずだ。キャラクターもプレーのタイプも異なる。これまでのキャリアも違う。同世代にこうしたライバルがいることはとてもいいことだ。

 この先、互いに切磋琢磨して成長していってほしい。ふたりは、ハリルジャパンのFWのなかでとくに伸びシロのある選手だ。2トップ、または3トップの1角としての活躍に期待したい。

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