福田正博が語る「宇佐美貴史が代表で輝くための宿題」 (3ページ目)

 宇佐美の個の力、才能は疑いようもない。現在J1の得点ランキングトップ(第5節終了時点で6得点)。ここからさらにゴールを増やすために何をすべきか。それは、ワンタッチゴールを増やすことだろう。そのために必要なことは、オフ・ザ・ボールの動き、つまり、ボールを受ける前の準備段階の動きの質を向上させることだ。

 オン(ボールを持った状態)は問題ない。課題はオフ(ボールを持っていないときの動き)にある。ここのレベルアップをさらに意識して、絶えず相手DFとのかけひきをする運動量の増加も欠かせない。

 こんなデータがある。ブラジルW杯で決まった全ゴール171のうち、ペナルティエリアの外から決まったゴールは17だけ。つまり、残りの約90%はペナルティエリアの中から生まれている。このペナルティエリア内での動き、さらにはゴールエリア内での動きの質の向上が、絶対に必要になる。そのことは本人も十分理解しているだろう。

 前田遼一(2009年、2010年J1得点王)や、大久保嘉人(2013年、2014年J1得点王)もそうだったが、若いころにドリブラーとしてしかけていくイメージが強かったFWは、ゴール数が増えていくことに反比例して、ドリブルする回数とボールタッチ数は減っていく傾向が強い。

 つまり、得点を奪うために何をするべきかを理解していくことで、無駄な動きが減っていき、ボールを持っている時間よりも、持っていないときの動きがレベルアップし、ゴール数が増えていったといえる。

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