湘南・山田直輝の決断「浦和から出ることは悩まなかった」

  • 浅田真樹●文 text&photo by Asada Masaki

3月特集 アスリートの春 ~卒業、そして新天地へ~(8)

 昨季、J2を圧倒的な強さで制し、J1での躍進が期待される湘南ベルマーレに今季、大きな注目を集める新戦力が加わった。

「噂に聞いていたとおり、湘南は練習からすごくよく走るし、雰囲気は明るいんですけど、緊張感がある中で練習ができている。選手が成長できるチームだな、と思います」

 そう語り、新天地で飛躍を期すのは、浦和レッズから湘南に(期限付き)移籍した背番号8。MF山田直輝である。

湘南で充実した日々を過ごしているという山田直輝。湘南で充実した日々を過ごしているという山田直輝。 今季のJ1において山田の移籍が、なぜ注目を集めるのか。その答えは、彼がこれまで歩んできた道のりを振り返れば、理解できる。

 山田は優れたテクニックを持ち、プレイのアイディアも多彩なMF。それでいて、天才肌の選手にありがちなサボりグセもなく、労を惜しまず走り回れるとあって、その能力は早くから高く評価されていた。

 2007年にはU-17代表として、柿谷曜一朗らとともにU-17W杯に出場。2011年にはU-22代表として、ロンドン五輪アジア最終予選に出場。本大会こそケガもあって出場はかなわなかったが、間違いなく同年代の選手をリードするひとりだった。

 活躍の場は、年代別代表だけではなかった。2009年5月には当時の岡田武史・日本代表監督に抜擢され、A代表にも招集された。デビュー戦となったチリ戦(4-0)では、途中出場ながら多くのチャンスを作り出し、本田圭佑の代表初ゴールまでアシストしている。

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