開幕2連勝。豊田陽平「鳥栖の強さは最後に出る」 (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki 日刊スポーツ/アフロ●写真

<鳥栖で結果を残すことで自分は成長し、自分が成長することによって、鳥栖はさらに強くなる>

 豊田にはその剛直なる哲学があり、かつ実践もしてきた。

 2011年にJ2得点王に輝いたときには、まず鳥栖をJ1へと導いている。2012年にはJ1ベストイレブンにも選出され、数年前までJ2中位が定位置だった鳥栖を5位へと躍進させた。

 2014年もクラブ史上最高タイの5位で終えているが、波瀾万丈の1年だった。首位に躍り出た途端、不可解な監督の契約解除。監督交代後は、プレイスタイルの変更に選手が戸惑い、一時は低迷した。ゴールゲッターである豊田が、どうにかチームを引っ張ったのだった。

 そして2015年は森下仁志監督が着任し、鳥栖は新しい体制でスタートしている。

「森下監督は芯があるというか、熱さのある人ですね。いい加減なもんは、突っぱねるというか」

 豊田はその印象を語る。

「新潟との開幕戦を前にしたミーティングで、監督は『感謝を忘れるな』と選手に伝えました。『この日に至るまで、いろんな人が関わってきた。ピッチに立つ11人以外にも、家族、関係者、サポーターの思いがあるんだ』と。僕としては家族という言葉を出されると気持ちが動かされるというか、それでストレスから解放され、“やってやる”という気持ちになりましたね。きっと若手も気持ちが熱くなったはずです」

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