宇佐美貴史の覚悟「得点王になる。それが四冠への必須条件」

  • 佐藤 俊●文 text by Sato Shun
  • 藤田真郷●撮影 photo by Fujita Masato

「あの頃は、感覚的なものは悪くなかったし、別にスランプという状況ではなかった。単に、体重が重かったんです。普段は75kg前後なんですけど、当時は78、79kgぐらいあった。基本的に太りやすい体質なんで、他の選手たちと同じような量を食べていたらダメなんですよ。それで、『これは摂生しないとヤバイ』と思って、すぐに体重を落としました。

 体重が落ちたら、すぐに結果も出ました。天皇杯準決勝(11月26日)の清水エスパルス戦で(5-2)で、2ゴールを決めることができた。その際、(長谷川健太)監督に『今のその体と、キレ、そして点を取る感覚を覚えておけ。体重が増えると(それらが)変わってくるから、ベストの体重を見つけ出すように』と言われたんです。体調管理というより、『体重管理をしっかりやれ!』ということですね。それからは、夜は米と肉を食べるのはやめて、野菜と魚中心(の食事)にしました。そうしたら、常に体のキレがよくなって、無理も効くようになったんです」

 今年の宮崎キャンプでは、オフに増えた体重を75kgまでしっかり落とした。リーグ戦開幕までにさらに1、2kg落として、ベストに持っていくという。また、プレイの質を上げるために、年明けから下半身の強化を重視したトレーニングを始めた。効果はすでに目に見えており、ユニフォームを着たときの全体のフォルムが、昨年よりも明らかに大きくなっていた。

「昨年は、腕とか胸とか、上半身を中心に鍛えたんですけど、自分のプレイスタイル的には、そこはあまり必要ないかな、と思ったんです。それで今年は下半身を中心に、ボールを持ったときにガーッと一瞬で(敵を)抜ける馬力とか、オフ・ザ・ボールのときにスプリントで相手を外すことができる瞬発力とかを得られるようなトレーニングをしてきた。これから、試合をこなしながら筋肉が馴染んでくれば、その成果が出ると思う。今季はまた、これまでとは違ったプレイができるかな、と思います」

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