柴崎、武藤に続く日本代表の新戦力!? 湘南・遠藤航に注目

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • photo by AFLO SPORT

2月特集 2015年躍動するホープたち(5)

 3月7日、いよいよ今季のJ1が開幕する。

 毎年のようにシーズン前の順位予想は難解を極め、そして実際、シーズン終了後には意外な結果が待ち受ける。

 要するに最近のJ1では、毎年のように思わぬ躍進を果たす"ダークホース"が出現するわけだが、今季その候補として注目したいのが、湘南ベルマーレだ。

J1昇格即優勝を狙う湘南の若きエース、遠藤航。J1昇格即優勝を狙う湘南の若きエース、遠藤航。 率直に言って、湘南は選手個々の顔ぶれに目を向ければ、それほど充実しているとは言い難い。総じて若い選手が多く、ネームバリューの高い選手は少ない。成長途上にある選手たちは、まだまだ粗削りだ。

 それでも昨季は勝ち点101という驚異的な数字を残し、ぶっちぎりでJ2を制覇。3桁に達した勝ち点は2013年シーズンのJ2王者、ガンバ大阪が記録した87を大きく上回る。彼らがいかに質の高いサッカーを展開していたかを物語る数字だ。

 そんな「ヤング・ベルマーレ」を象徴する存在が、22歳のDF遠藤航である。

 遠藤が本職とするポジションはセンターバック。3-4-3のシステムを採用する湘南では、3バックの右に入る。178㎝とDFとしては小柄だが、ヘディングは強く、高さ負けはしない。確実に相手の攻撃をはね返す強さを持っている。

 それでいて、足もとの技術も高く、攻撃の組み立てに参加できる攻撃センスのよさも遠藤の魅力。最終ラインに入り、相手の攻撃を止めるばかりでなく、右サイドから果敢な攻め上がりを見せる。昨季は、DFながら7ゴール2アシストを記録した。

 豊富な運動量を生かし、全員がコンパクトな陣形を保って高い位置で攻守を繰り返す。そんな湘南のハツラツとしたサッカーにおいて、遠藤が果たすべき役割は大きい。言い換えれば、湘南がこれだけアグレッシブなスタイルを貫けるのも、遠藤のような選手がいればこそ、なのだ。

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