激論!松木安太郎と福田正博が考える「Jリーグの未来」

  • 津金一郎●構成 text by Tsugane Ichiro

福田 現状では「ドングリの背比べ」ですからね。何かを変えなければJリーグの停滞感を突き破れないのも事実ですし......。

松木 サポーターも、これまで以上にシビアになるんじゃない? 「これだけ予算があるのに、こんな成績なのか」と、クラブに対してソッポを向けば、クラブは一気に収入が減って本気で取り組まざるを得なくなるんだから。

福田 同時に、この変更によって、トップレベルの選手たちの技量が向上していってほしいと思います。これまでのJリーグは中間から下の選手が技量を伸ばすことで平均値を向上させてきましたが、トップがもっと上のステージへとレベルアップしていかなければ、本当の意味での日本サッカーの向上はないですから。

松木 世界のトップとの差を考えたら、日本サッカーのあり方はまだまだ高いレベルには至ってないし、もっと改良していく余地はあるよね。

福田 そうですね。日本代表はワールドカップにコンスタントに出場できるレベルにはなりましたけど、まだまだ世界トップの国との差は大きい。Jリーグは日本サッカーが世界に通用するために、日本代表を強くするために誕生したわけですから、その辺りの原点をもう一度見つめ直していく時期なんでしょうね。

松木 じゃあ、次は日本代表について話しますか!

つづくphoto by Yamamoto Raitaphoto by Yamamoto Raitaプロフィール 
松木安太郎
1957年11月28日東京都生まれ。日本リーグ時代、読売(現・東京ヴェルディ)で活躍し、日本代表としても国際Aマッチ12試合に出場。90年に引退後、読売のコーチとなり、93年からヴェルディ川崎の監督に就任。Jリーグ初代優勝監督となった。また、94年にもリーグ優勝して連覇を達成。その後、セレッソ大阪、東京ヴェルディの指揮も執った。現在はテレビ朝日サッカー解説のほか、さまざまな分野で活躍。
福田正博

1966年12月27日神奈川県生まれ。日本リーグ時代、三菱(現・浦和レッズ)に入団し93年からJリーグへ。95年50試合32得点で、日本人初のJリーグ得点王に。日本代表45試合9得点。02年現役引退。S級ライセンス取得後、2008年から浦和レッズコーチに就任。現在はサッカー解説者として『S☆1』(TBS)など各媒体で活躍。

6 / 6

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る