【高校サッカー選手権】注目は独自の武器を持つ4校 (2ページ目)

  • 粂田孝明(ストライカーDX編集部)●文 text by Kumeta Takaaki(STRIKER DX)
  • 松岡健三郎●撮影 photo by Matsuoka Kenzaburo

 その攻撃の軸となるのは、今大会ナンバー1プレイヤーの呼び声高い、MF中島賢星(なかしま・けんせい/3年)。U-18日本代表に名を連ね、すでに横浜F・マリノスへの入団も内定している大型MFだ。身長182cmという恵まれた体格の持ち主で、競り合いにも強く、高いキープ力を誇る。そのうえで、正確なパスを前線に配球し、数多くの決定機を生み出していく。

 中島からのパスを受けて、結果を出すのは、FW木藤舜介(きとう・しゅんすけ/3年)。高校総体では8ゴールを量産し、大会得点王に輝いている。この中島→木藤のホットラインを中心に、多彩な攻撃を仕掛けていく東福岡。激戦区・東京Bを勝ち抜いてきた三鷹(東京都)との開幕戦をモノにできれば、総体、選手権の二冠達成も夢ではない。

 この東福岡に、高校総体準決勝で惜敗した青森山田(青森県)が「東の雄」と言えるだろう。ユース世代のトップリーグである『プレミアリーグEAST』()でもまれてきたチーム力は高く、代名詞である「パスサッカー」は今年も全国トップレベルにある。

※高校とクラブなど第2種登録チームのすべてが参戦し、ユース年代のトップを決めるリーグ戦。最高峰のリーグは『プレミアリーグ』と呼ばれ、EAST10チーム、WEST10チームで争われる(その下は、プリンスリーグ、都道府県リーグとなる)。そして、それぞれのリーグで1位になったチームが『高円宮杯U-18サッカーリーグ チャンピオンシップ』で激突し、覇権を争う。2014年は、WEST1位のセレッソ大阪U-18が、EAST1位の柏レイソルU-18を下してユース年代の頂点に立った。

 特に定評があるのは、MF山下優人(やました・ゆうと/3年)を中心としたサイド攻撃。山下の左足から放たれるフィードを、3トップの左を務めるFW丹代藍人(たんだい・あいと/3年)が受けて、ゴールに迫るのが"必殺パターン"だ。さらに、走力のある左サイドバックの北城俊幸(きたじょう・としゆき/2年)がそこに絡んでくると、サイドアタックの厚みが一段と増す。

 だからといって、右サイドが弱いわけではない。右サイドバックを務めるキャプテン小笠原学(おがさわら・がく/3年)が果敢なオーバーラップを見せて、敵DF陣を翻弄。両サイドを幅広く使ったダイナミックな攻撃は相手にとっては脅威だ。激戦ブロックを勝ち抜いて、順調ならば準決勝でぶつかる東福岡へのリベンジを狙う。

 関東圏の実力校も、名門復活に燃えている。その筆頭は、U-19日本代表のMF鈴木徳真(すずき・とくま/3年)とMF渡辺凌磨(わたなべ・りょうま/3年)を擁する前橋育英(群馬県)だ。

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