このままでいいのか?J1昇格プレイオフ制度への提言

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki photo by AFLO SPORT

 だが、その一方で、毎年のように起こる"下剋上"が問題を引き起こしているという面もある。J1昇格プレイオフを勝ち上がったクラブが、いずれも早々にJ2再降格が決まるという"最弱ぶり"を露呈しまっているのだ。

 昨季の大分はわずか2勝しか挙げることができず、勝ち点14で最下位。今季の徳島もここまで勝ち点13で、来季のJ2降格がすでに決まっている。

「勝てば天国、負ければ地獄」の分かりやすい舞台設定で世間の注目を集め、劇的な昇格を果たしたはいいが、結局、1年で逆戻り。しかも、圧倒的な弱さで再降格してしまうのである。やはり、J2で4、5、6位だったクラブが昇格できてしまう制度には、そもそも問題があるのではないか。そんな疑問の声があるのも確かだ。

 個人的には、たとえ1年でJ2に逆戻りしようと、多くのクラブがJ1を経験するのはいいことだと思っている。クラブもサポーターもJ1で1年戦うことの難しさを知り、同時に魅力も知るだろう。その経験がのちのクラブの発展につながるなら悪いことではない。

 とはいえ、それが日本のトップリーグであるJ1の興味をそぐほど圧倒的な弱さだとなると、「昇格させることに無理がある」とか、「制度の不備だ」と指摘されても仕方あるまい。

 そこで提案したいのが、J1下位のクラブも加えた「新たなプレイオフ制度」の導入である。

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