2014.11.21

J優勝の行方は、ガンバ長谷川健太監督の采配にかかっている

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • photo by AFLO

 だが、彼は強気だった。みずからの采配の正当性を主張した。「前半の戦いが悪かったわけではない」と、述べている。その守備的サッカーが非効率サッカーに陥っていたことを認めようとはしなかった。

 10月22日に行なわれたJリーグ29節、柏戦の試合後も、長谷川監督は同じようなコメントを述べている。この試合もガンバ大阪は、それまでとは異なる中盤ダイヤモンド型4-4-2で戦った。結果は0-1。連勝を止める手痛い一敗だった。

 この試合もナビスコ杯決勝同様、その守備的サッカーは、まさに非効率サッカーに陥っていた。その中盤のダイヤモンド、つまり、最後尾の明神智和、今野泰幸(左)、阿部浩之(右)、そして2トップ下の遠藤保仁の4人で織りなす中盤が、実は菱形をしていないのだ。右に大きくズレている。今野と阿部が左右対象な関係にはないのだ。

 それは両者のキャラクターと大きな関係がある。今野が従来の中盤フラット型4-4-2上では、遠藤とともに真ん中を担当する「ボランチ」であるのに対し、阿部は右のサイドハーフ。ウインガー的な役割を兼ねた、開いて構えることが得意な選手だ。

 右サイドはその阿部によってカバーされているが、今野が構える左は、それが甘い。ガンバ大阪の左サイド前方は、マイボール時においても、相手ボール時においても、誰もいない空白区、穴になる時間が多い。スペースを埋めることができていないのだ。相手にそこを有効に使われている。

 従来は左に大森晃太郎がいた。右の阿部とポジションを均等に取っている。そして今野と遠藤が真ん中を務める。ベテランの2人が真ん中を務め、若いサイドアタッカー2人が両サイドで深々と構える。ガンバの魅力と言えば、1にパトリック、2に宇佐美貴史、3に遠藤、今野の両MFになるが、バランスという視点で言えば、大森、阿部の両サイドが最も重要な役割を担っている。彼らがもたらす絶対的な幅こそが、ガンバ大阪の原動力。少なくとも、僕にはそう見えるのだが、時に採用する中盤ダイヤモンド型になると、それが大きく崩れる。守備的布陣と言いながら、ピッチ上に大きな穴が生まれることになる。