首位決戦へ高まる闘志。レッズ李忠成「ミシャを男にしたい」 (3ページ目)

  • 河野正●文 text by Kawano Tadashi
  • 山添敏央●撮影 photo by Yamazoe Toshio

 一昨年と昨年は、終盤戦で大事な試合を勝ち切れず、レッズは優勝争いからズルズルと脱落していった。しかし今季は違う。

 連敗することなく、勝負どころとなった第30節のアントラーズ戦を李の同点弾で引き分けると、続く第31節(11月3日)では、リーグ最少失点の横浜F・マリノス相手に1-0と勝利。新人MFの関根貴大が決勝ゴールを奪った。ともにリーグ戦での通算成績は負け越している難敵だったが、2試合続けて交代出場した選手がヒーローとなる活躍を披露。決戦に向けて、チームはいいムードにある。

 そうした状況にあって、ガンバ戦、そしてリーグ優勝へ、李の気持ちも高まるばかりである。

「期待が大きいだけに、責任と重圧を感じるけど、自分が点を取る、という気持ちを前面に出してやるだけ。それしかない」

 加入後しばらくは、サポーターの声援もコールも少なかったが、今ではすっかりレッズの一員として認められた。ガンバ戦の入場券は完売。万雷の拍手と歓声の中、李は“3度目の正直”で悲願を成就させ、チームに栄冠をもたらすことができるのか。彼の鋭い眼差しからは、その気概が確かに伝わってきた。

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