アギーレJに期待する「日本らしさとトレンドの融合」 (3ページ目)

  • photo by Matsuoka Kenzaburo

 もちろん、強いチームをつくりあげ、W杯に出場していい成績を収めるという目標は、日本代表でもメキシコ代表でも一緒だ。ただ、それを達成するための日本に合った方法があるのではないか。今まで、アギーレ監督がスペインのクラブやメキシコ代表でやってきたマネジメントや指導法を、そのまま日本代表に持ち込むのではなく、日本人のキャラクターやものの考え方に合った強化策を模索していってほしい。

 たとえばオシム元監督は、代表監督に就任する前の4年間、Jリーグで指揮を執る経験があったことで、日本人とはこういう人たちなのか、と理解できたことが少なからずあったはずで、その経験を代表監督として活かせた部分があったと思う。アギーレ監督はいきなり日本代表監督に就任したので少し時間はかかるかもしれないが、日本人選手の特長を生かしたスタイルが確立されるかどうかに注目したい。

 ヨーロッパや南米の選手ができないこと、日本人だからこそできることとは何か。その突き詰めがあったうえで、個々の選手がレベルを上げていき、日本人ならではの良さも伸ばしていく。つまり、組織力を生かしてパスワークやオフザボールの連動も追求し、アギーレ監督が考える縦に速いスタイルと融合することで、さまざまなことに高いレベルで対応できる。そんな「引き出しの多い」逞しいチームに日本代表が成長していくことに期待している。

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