U-19、4大会連続敗退。日本はアジアで見下されていた (2ページ目)

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • photo by Getty Images

 今大会でグループリーグ3試合と準々決勝の計4試合を戦った日本は、韓国戦を除き、自らがボールを保持して試合を進めることができた。にもかかわらず、計7得点はやはり物足りない。鈴木政一監督が「決定力のレベルアップ」を課題に挙げたのもうなずけるところではある。

 しかしながらボール支配率に比して、決定機の数がそれほど多くなかったのも事実である。

 日本はボールこそ持っているものの、横パスやバックパスがあまりにも多く、守備を固める相手に対して圧力をかけ続けられない。それは昨今ポゼッションサッカーがもてはやされ、ゴールへ向かうことよりも、ボールを失わないことばかりが強調されるようになったことの弊害かもしれない。

 例えばトラップひとつ取っても、いかにボールを前に運ぶかを前提に、どこにボールを止めるかを考えるよりも、ボールを失わないことを優先していることが少なくなかった。これでは、チャンスの数を増やすことなどできるはずもない。

 相手から見れば、日本にはボールを持たせておいても怖くない、という認識が少なからずあったのではないだろうか。準々決勝で対戦した北朝鮮はまさにそんな戦い方だった。相手との力が拮抗していたため、まずは守備から入り、奪ったボールを下手につながず、シンプルに縦へ進めようとした韓国戦が、今大会の日本のベストマッチとなったのは皮肉な話だ。

 鈴木監督は「やろうとする部分ができていたし、チャンスも作れていた」とし、「内容はよくても勝ち切れなかったのが今大会ではなかったか」と話していたが、素直に同意するのは難しい。

 せっかくボールを保持していても、あんなにモタモタと後方でパスをつなぐ時間が長いのでは、相手の脅威とはなりえない。いくつかのスーパーゴールを叩き込んだ南野の存在がなければ、もっと得点数は少なくなっていたはずだ。それほどチーム全体で相手の守備を崩し切るシーンは少なかった。

 この手の試合のあとは、たいてい「日本はもっと個の能力を高めなければいけない」という議論になりがちだ。実際、鈴木監督も「日本は勤勉でグループ戦術のレベルは高いが、結果を出すのは個の力が必要。個人でもグループでも点が取れるチーム作りが必要だ」と語っている。

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