鹿島・小笠原満男が知っている「2007年を再現する方法」 (3ページ目)

  • 小室 功●文 text by Komuro Isao
  • 山添敏央●撮影 photo by Yamazoe Toshio

 鹿島は、2007年に世紀の逆転劇を演じた成功体験がある。開幕から一度も首位に立つことはなかったものの、シーズンが深まるにしたがって調子を上げ、ひたひたと上位陣に迫った。そして最後は9連勝を飾って、第21節から首位をずっとキープしていた浦和を最終節で逆転。頂点に立った。

 実は、2007年と今季が、少し状況が似ている。第27節を終えた時点で、両シーズンの順位がともに、首位が浦和、2位がガンバ大阪、そして3位が鹿島。2007年は、第33節で首位の浦和と対戦して1-0と勝利。逆転優勝へ俄然勢いがついた。今季は、その直接対決が第30節(10月26日)に待っている。ここが、大きなヤマとなるのは明らかだ。もちろん、それまでに足踏みしているようでは、逆転優勝の可能性はしぼんでいく。

 小笠原は常日頃からこんなことを言っている。

「大詰めを迎えたからといって、急にがんばるのはおかしい。いつも、がんばっておかないとね。シーズンが開幕したときから、全部の試合が大事だし、オレはいつも大詰めだと思ってやっている。鹿島が勝ったらこうなって、上が負けたらこうなるとか、いちいち勝ち点なんか計算しないよ。(目の前の試合で)チームが勝つためにどうしたらいいか、そこを考えるだけ。だから、最後まで諦めないで戦う」

 2007年の第27節終了時点では、首位の浦和と鹿島との勝ち点差は10あった。それと比べれば、勝ち点7差の今季はより逆転優勝への期待が膨らむ。何かが起こるのではないか――そう思わせるだけの粘り強さが、鹿島にはある。

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