リーグ1位の得点力。鹿島は「大迫ロス」をどう克服したか? (3ページ目)
ところが、速攻を使える武器にするために、徹底して練習した形跡はまったくない。速攻の起点、そしてフィニッシャーとして機能する土居聖真は、次のように話す。
「誰かが、ああやろう、こうやろうと言ったわけではないです。それのできる能力を持った選手が揃っているので、試合で身についたのだと思います」
速攻を実践するために練習したのではなく、それを実現するために必要なのは、チームのバランス意識だと語る。コンパクトに戦えるようになれば、自ずと速攻は出るようになり、チャンスになると分かれば、より多くの選手がゴール前に飛び出していける。センターバックの2枚に加え、ボランチかサイドバックの1枚が守備に残ることだけを監督が整理すると、リーグでも屈指の鋭いカウンター攻撃が見られるようになった。
すべてが未来予想図の通りに進んでいるわけではない。思っていたより失点は減らず、伝統の堅い守備も戻っていない。残り7試合、首位・浦和とは勝ち点差7。直接対決を残すとはいえ、ギリギリのラインである。しかし、「大迫ロス」を乗り越えた鹿島が予想を覆(くつがえ)す躍進で、Jリーグの優勝争いを熱くさせているのは間違いない。
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