福田正博がアギーレ監督に期待する「日本代表強化策」

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 また、日本代表が世界のトップクラスと戦うときは、中央に構えて起点となるタイプの1トップでは、ポストプレーが機能しない可能性もある。そうした時は、岡崎慎司のように動きながらボールを受けるのがうまいFWを起用するのもひとつの手だ。実際、マインツでの岡崎は1トップで起用されて結果を残している。また、浦和の興梠慎三も動きながらボールを受けるのがうまい選手なので、1トップ候補といえる。

 その点でアギーレ監督に抜かりはないだろう。過去にメキシコ代表を率いた経験を持ち、スペインリーグなどでビッグクラブも中堅クラブも率いた実績のある監督なので、相手に応じて戦い方を切り替えることができるはずだ。

 アギーレ監督は連覇のかかる来年1月のアジアカップを目指しながら、その先を見据えて、新たな選手を日本代表に招集して活性化を図っている。選手を競争させることでレベルアップを図り、選手層を厚くする狙いがあることは間違いない。

 その効果は早速表れていて、Jリーグでは刺激を受けた選手たちが代表入りを目指してアピールしている。9月のベネズエラ戦では本田がFKを外した直後に、すごい悔しがり方を見せた。あれは武藤、柴崎という新戦力がゴールを決めたことで、刺激を受けていたからだろう。アギーレ監督には、今後も多くの新たな選手を招集し続けてほしい。

 本田をはじめ、長友佑都や、吉田麻也といった主力が危機感を覚えてさらに成長していかなければ、真の意味での日本代表のレベルアップはない。次の親善試合でも新たな選手たちが活躍して、さらなる競争原理が働く日本代表になることを期待している。

プロフィール

  • 福田正博

    福田正博 (ふくだ・まさひろ)

    1966年12月27日生まれ。神奈川県出身。中央大学卒業後、1989年に三菱(現浦和レッズ)に入団。Jリーグスタート時から浦和の中心選手として活躍した「ミスター・レッズ」。1995年に50試合で32ゴールを挙げ、日本人初のJリーグ得点王。Jリーグ通算228試合、93得点。日本代表では、45試合で9ゴールを記録。2002年に現役引退後、解説者として各種メディアで活動。2008~10年は浦和のコーチも務めている。

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