福田正博がアギーレ監督に期待する「日本代表強化策」

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 だが今後は、Jリーグやサッカー協会の協力のもと、アギーレ監督も、オシム元監督が実践したような多様性を身につけることを目的に、強化の一環として国内でトレーニング合宿を張ったり、積極的に海外遠征に行ってもらいたいと思う。

 次に招集メンバーについてだが、「7、8人を入れ替える」と発言していたアギーレ監督がどういう選手を呼ぶのか注目したい。なかでも「4−3−3」のフォーメーションの核になる中盤のメンバー構成は多くの選択肢がある。前回はアンカーに森重真人を置き、右に細貝萌、左に柴崎岳や田中順也が起用されたが、10月の2試合では新たな組み合わせが試されるだろう。

 前回ケガで途中離脱した長谷部誠、故障で戦列を離れている山口蛍、U-21代表の大島僚太なども含めて、このポジションはタレントが豊富だ。堅守速攻という戦術で重要な役割を担うポジションだけに、ベストな組み合わせを模索してもらいたい。

 個人的には攻守でハードワークができる米本拓司(FC東京)を見てみたい。彼の守備のうまさはJリーグでのインターセプト数を見れば一目瞭然で、同時に、アグレッシブにゴール前に攻め上がってシュートも打てる。また、Jリーグで4−3−3のフォーメーションを敷くチームが少ない中で、FC東京は戦況に応じて4−3−3も採用している。そのため、米本がアギーレ監督の戦術に適応するのに時間はかからないはずだ。

 10月14日に対戦するブラジルなど、格上との試合では、アンカーの森重がDFラインに吸収される可能性が高い。そのときにポイントになるのが、森重の前にいるふたりのMFだ。

 森重がDFラインに下がっても、ふたりが中盤にとどまることができれば、前線との距離は開かず、ボールを奪取した後に素早く攻撃に切り替えることができる。そのためには、ハードワークができて、守備能力が高く、フィードの正確な選手が求められる。その点で、24歳の米本と、22歳の柴崎というコンビを、ぜひ試して欲しい。

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