鹿島vs.横浜FM、記念すべきリーグ戦50回目の老舗対決 (3ページ目)

  • 中山淳●文 text by Nakayama Atsushi 山添敏央●写真 photo by Yamazoe Toshio

 この時代の中心として活躍したのは、秋田豊、本田泰人、相馬直樹、長谷川祥之といった日本人選手に加え、ジョルジーニョ、レオナルド、ビスマルク、マジーニョという豪華なブラジル人助っ人の面々。その後、名良橋晃、柳沢敦、中田浩二、小笠原満男といったクラブのレジェンドも加わり、長きに渡ってジュビロ磐田との覇権争いを繰り広げている。

 そんなアントラーズとジュビロの2強時代にピリオドを打ったのは、やはり横浜F・マリノスだった。岡田武史監督率いる当時のF・マリノスは松田直樹、中澤佑二、奥大介、久保竜彦といった日本人のタレントと、マルキーニョス、ドゥトラ、ユ・サンチョル、あるいはアン・ジョンファンといった助っ人を軸に、2003年、2004年と連覇を達成。ひとつの時代を築き上げた。

 その後、Jリーグは浦和レッズとガンバ大阪の2強時代に突入するが、しばらくするとアントラーズが復権。2007年の逆転優勝を皮切りに史上初の3連覇を達成し、オズワルド・オリヴェイラ監督の下、2度目の黄金時代を迎えている。第1期黄金時代を知るキャプテン小笠原を中心に、内田篤人、岩政大樹、野沢拓也、興梠慎三、田代有三、そしてF・マリノスの優勝にも貢献したマルキーニョスらが、当時の主な面々だった。

 このように、両クラブの興隆をざっと振り返っただけでも、通算50回目となる今回の対戦の意味合いは増してくる。

 現在、アントラーズに次世代を担う日本代表MF柴崎岳や伝統の継承者ベテラン小笠原がいれば、F・マリノスにはワールドカップメンバーの齋藤学、そしてクラブのレジェンド中村俊輔がいる。「今」を戦う彼らのプレイに注目するのもいいが、オールドファンなら過去の歴史を思い起こしながら応援するのもいいだろう。

 もしスタジアムに足を運ぶのであれば、押し入れの奥に眠っている思い出のレプリカユニフォームを着て、ノスタルジーにどっぷり浸って観戦したいものである。

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