福田正博が語る「W杯から日本が学ぶべきこと」 (4ページ目)

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 また、FWはプレーの優先順位の一番上が常にシュートであってほしい。今回のW杯のイグアイン、ベンゼマ、ミュラーといったFWは、シュートコースがあれば常にゴールを狙っていた。そして、その姿勢があるからこそ、ゴール前のこぼれ球への素早い反応からシュートを決めている。

 もちろん、シュートミスをすることもあるだろう。ただし、FWがシュートミスをしたからといって「パスをしておけばよかったのに」と評価するのではなく「もっとシュート技術を上げろ!」とミスをしたそのFWに要求してほしい。そういう指導をするコーチ、そうした評価をするメディアとファンが、W杯で活躍するストライカーを育てる。

 もうひとつ、「ごっつぁんゴール」という、こぼれ球を押し込んで点を決めた選手を揶揄する言葉が使われているうちは、日本は強くなれないと私は思っている。「1点の重み」を観客もメディアも、指導者も選手も、もっと理解してほしい。そのたった1点でどれだけ泣いてきたかを思い出してほしい。

 日本にプロリーグができてまだ20年。日本はW杯にまだ5回しか出場していない。サッカーが日本でナンバーワンのスポーツになれるように、すそ野を広げていくことなど、サッカーの強豪国になるために、やるべきことはたくさんあり、時間がかかる。それを理解して、一歩ずつ前に進んでいくしかないと、私は思っている。

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