J1リーグ再開。後半戦の上がり目、下がり目チームは? (4ページ目)

  • 飯尾篤史●文 text by Iio Atsushi photo by AFLO

 一方、FC東京は今季からイタリア人指揮官、マッシモ・フィッカデンティを招聘。戦術、システム、スタメンの顔ぶれを一変させてスタートを切ったため、序盤戦はなかなか波に乗れなかった。だが、もともと新旧の日本代表、五輪代表、年代別代表が目白押しで、選手層においてはJ1屈指の陣容を誇るチーム。元韓国代表DFのカク・ヒジュを獲得し、元U-21イタリア代表DFのミケーレ・カニーニの加入も間近。戦力補強に余念がない。

 また、残留争いに目を向ければ、降格の危機が忍び寄る15位の名古屋(勝ち点16)と、16位のG大阪(同15)は、Jリーグ経験者の外国籍選手を獲得し、巻き返しを狙う。

 名古屋は3年前にJリーグMVPに輝いたMFレアンドロ・ドミンゲスを柏から獲得。待望のトップ下を手に入れたことで、開幕前に棚上げされていた3-4-1-2を再び導入し、西野朗監督の掲げるアタッキングサッカーの再構築を図る。

 一方のG大阪は、川崎Fや甲府でプレイしたFWパトリックを獲得した。パトリックは189センチの長身を誇るが、ポストプレイで前線に起点を作るより、スピードで勝負することを好むストライカー。その点、コンビを組むFW宇佐美貴史や、アタッカー色の強い2列目の大森晃太郎、阿部浩之らMFとの相性が合うのかどうか気がかりだ。もちろん、降格圏から抜け出すためには、序盤戦で精彩を欠いた遠藤保仁と今野泰幸の復調も欠かせない。

 4年前を振り返ってみれば、ワールドカップの中断期間を首位で迎えた清水は、最終的に順位を5位に落とし、2位だった名古屋がリーグ初優勝を飾った。また、11位だったG大阪が2位、8位だったC大阪は3位でフィニッシュしている。名古屋が首位に立ったのは、中断期の合宿で戦術トレーニングを徹底したのが大きく、G大阪は中断以降に宇佐美や平井将生ら若手が台頭し、C大阪は後半戦で清武弘嗣や家長昭博が奮起したのが要因だった。

 果たして今季のJリーグは、どのような結末を迎えるのか。まずはリーグ再開後のゲームで、中断前からチームがどれだけブラッシュアップされているか、確認したい。

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