柏木陽介の決意「レッズが日本サッカーの方向性を示す」 (2ページ目)

  • 河野 正●文 text by Kawano Tadashi
  • 山添敏央●撮影 photo by Yamazoe Toshio

「昨年までの自分は、どんなときでもリスクを負ってでも攻め上がっていたが、(今季は時間帯や流れなど)上がるタイミングを見計らうようにした。(レッズは)大人のサッカーに変わりつつある」

 昨季は、DF那須大亮の9得点をはじめ、槙野が6点、DF森脇良太が3点と、守備陣も得点を重ねた。しかし今季は、目下3人合わせて1得点。無防備な攻撃参加が抑制されていることがうかがえる。

 サンフレッチェ広島でリーグ連覇を遂げた日本代表GK西川周作の加入も大きい。同僚でさえ、「やられた」と顔を覆うような際どい一撃を何度セーブしたことか。

 さらに、FW李忠成(前サウサンプトン/イングランド)の獲得で前線の配置に幅が出たし、MF青木拓矢(前大宮アルディージャ)が加わってボランチの層にも厚みが増した。そのうえで、突出したストライカーは不在ながら、10人の選手がゴールを記録しているように、どこからでも得点できる強みは健在だ。

レッズの攻撃を引っ張る柏木陽介。レッズの攻撃を引っ張る柏木陽介。 中断期間の6月半ばから2週間実施した合宿では、酷暑に備えた体力強化や戦術の上積み、全ポジションで複数の組み合わせをテストするなど、8年ぶりのリーグ優勝へ向けて周到な準備を進めた。FW原口元気がヘルタ・ベルリン(ドイツ)に完全移籍したものの、今季はボランチでの出場が多かったMF柏木陽介が2シャドーに復帰して穴埋め。李とFW興梠慎三の3人で形成する前線は、対戦相手にとって脅威となりそうだ。

2 / 3

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る