首位浮上。浦和を変貌させたGK西川の存在感 (2ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • photo by Getty Images

 先ごろ発表となったワールドカップに臨む日本代表にも選出された、Jリーグ屈指の守護神は、常に落ち着いたプレイで浦和ディフェンスに安定感をもたらしている。西川は言う。

今季、広島から移籍して浦和入りした西川周作今季、広島から移籍して浦和入りした西川周作「ここまではいい試合運びと、自分自身のいいパフォーマンスが継続的にできている。今年で28歳ですし、前の試合でよかったけど、次はダメという波のある選手にはなりたくない。前の試合でよかったら、それをどんどん続けられる選手でありたいなと思う」

 今季、西川が常々口にするのが、「リーグ最少失点」と「試合数より少ない失点数」。第14節終了時点での総失点9は、そのどちらもクリアする数字である。西川自身、「いい結果で(中断前の試合を)終われた」と、ホッとした表情を浮かる。

 とはいえ、西川の貢献度の高さはディフェンス面に限った話ではない。

 元々、GKでありながら足下の技術にも優れている西川。しっかりとボールをつないで攻撃を組み立てる浦和にあって、DFと連携して最後方からパスをつなげるGKの存在は極めて大きい。最終ラインからでも不安なくボールをつなげる状況が、チーム全体の試合の進め方に安心感を与え、ひいては守備の安定につながっていると言えるだろう。西川自身、そうした役割を求められることは望むところだ。西川は力強い言葉を口にする。

「自分は攻撃もできて守れるGKという究極のところを目指している。浦和のサッカーはGKからつないでいくサッカーなので、しっかりとパスを回しながらも、相手がそれを狙ってきたら、今度はロングキックを蹴ったりして対応するという部分は、自信があるので、攻撃面でもこだわってやりたい」

 リーグ最少失点でチームは首位浮上という最高の形で中断期間を迎えることになった西川。これからしばらくは浦和を離れることになるが、その間にはまた別の、大仕事が待っている。

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