16位のガンバ大阪、再びJ2落ちしないための具体策 (3ページ目)

  • 佐藤俊●文 text by Sato Shun
  • photo by AFLO SPORT

 では、今後どうすべきか。

 宇佐美の復帰が近付いているのは朗報だが、かといって彼一人に頼れば執拗にマークされ、攻め手を失ってしまう。それに加え、いい外国人選手を獲得する予算はない。

 それならば戦い方を過去のスタイルに習うのはどうだろうか。

 実は昨年、宇佐美が入ってからの得点パターンはショートカウンターやカウンターからが多かった。ある程度しっかり守って、相手のボールを引っ掛けて早く攻める意識が浸透していたのだ。今は、宇佐美が戻るまでトップに倉田秋とリンスを置き、その下にリンクマンとして二川孝広を置く。攻撃が機能しない状況ならば、役割がハッキリしている戦術で戦うしかない。それが十分に機能するようになったら、ポゼッションする戦いにシフトすればいい。

 以前、西野監督時代も春先に調子が出ない時期があった。その時は、攻撃であえて無理をせず、しっかり守ってカウンターでゴ-ルを奪い、勝ちグセをつけるようにした。そうして自信を深めていく中で、ポゼッションに切り替えていったのだ。

 また、選手の意識改革も必要だ。

 シーズン前、遠藤は「俺たちは挑戦者という気持ちで戦っていく」と話していた。2年前の今ごろは負けていても「まぁなんとかなるさ」と楽観視していたが、それがどんなに危険なことか、十分経験したはずである。今の16位という現実を噛み締めて、がむしゃらに戦う意識が必要ではないだろうか。

 このままズルズルといくと、2012年の悪夢を繰り返すことになる。大阪ダービー(4月12日/セレッソ大阪戦)を前に長谷川監督がどういう判断を下すのか。宇佐美が復帰するまでどう戦うのか。ガンバはシーズン序盤戦で早くも正念場を迎えようとしている。

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