私なら、豊田陽平をザックジャパンの「ジョーカー」に選ぶ

  • スエイシナオヨシ●撮影 photo by Sueishi Naoyoshi

名波浩の視点

 サガン鳥栖のFW豊田陽平が好調だ。Jリーグ第6節を終えて5得点と、川崎フロンターレのFW大久保嘉人、ヴィッセル神戸のFWペドロ・ジュニオールと並んで得点ランキングのトップに立っている。

今季もすでに5得点を挙げている豊田陽平。今季もすでに5得点を挙げている豊田陽平。 もともと空中戦の強さには定評がある豊田。今季も敵陣での競り合いで勝り、ヘディングで2得点を記録するなど、その武器を存分に発揮している。加えて、前線でボールを受けたあと、味方をシンプルに使って、ゴール前に消えていくという、いわゆるストライカーがやるべき動き、タイプで言うとサンフレッチェ広島のFW佐藤寿人がやっているようなことを、すごくスムーズに、それも無意識にやれるようになってきた。

 また、コンビを組んでいるFW池田圭がハードワーカーで、彼があいたスペースへとどんどん抜け出していくため、敵がその動きに釣られたときに、豊田のシュートシーンが増えている。それを、本人もよくわかっていて、そのチャンスをしっかり生かしていると思う。

 第6節のFC東京戦でも、試合は1-2で敗れたものの、終盤に素晴らしいゴールを決めた。味方のシュートを相手GKがクリアするも、そのこぼれ球に瞬時に反応して押し込んだ。正直、このゴールには驚かされた。「よく、豊田はあそこにいたな」と。ああいうところの、ストライカーとしての"嗅覚"も、豊田の強み。結局、こぼれ球というのは、点を取れる選手のところに転がってくるし、点を取る選手だから、ボールが転がってくるところに"いる"のだろう。

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