2014.03.02

ガンバ大阪の盟主返り咲きに必要なキャスティングとは?

  • 飯尾篤史●取材・文 text by Iio Atsushi
  • photo by Getty Images

 今野泰幸や内田達也、二川孝広らMFもしっかり帰陣し、粘り強い守備を見せた。これにはセンターバックの丹羽大輝も「うまくハメることができて、向こうはGKにバックパスすることが多かった。去年から積み上げてきた守備の部分では、いいところを出せた」と手応えを口にした。

 降格した2012シーズンは65失点も喫したこともあり、長谷川健太監督は「まず守備というベースをしっかりさせないと、シーズンを通して安定して戦えないと思っている」と語っていたが、ディフェンス面での成果はたしかに表れている。

 問題は、攻撃面だ。前半とは打って変わってボールを回し、相手陣内でゲームを進めた後半も、決定的なチャンスは作れなかった。攻め込んでいたように見えて、シュートは4本(合計は7本)しか放てなかった。

「円を書くように、相手のブロックの外で回しているだけで、スピードアップするパスが出せなかった。縦のパスを入れてもそこが孤立していて、2人の関係、3人の関係もない。それではゴール前まで運べない。もう少し攻撃を連動させて、スムーズに縦パスを入れていきたい」

 そう言って、苦い表情を浮かべたのは、今野だ。押し込まれていた前半、カウンターからチャンスを作ったこともあり、今野には「前半のほうが攻撃のスイッチが入った場面があった」という印象すらあるという。

 攻撃の迫力を失ってしまった要因の一つが、エースとして期待していた宇佐美貴史が負傷離脱してしまったことにあるのは、確かだろう。とはいえ、ないものねだりをしていても意味がない。現有戦力の最大値をいかにして出すのか――。

 その視点で見たとき、出来の悪かった後半に、ヒントが見えてくる。そう感じさせたのは、はっきりとしたストロングポイントを持つアタッカーたちだ。

 後半からピッチに立ったMF大森晃太郎はその直後にミドルシュートを放ったり、仕掛ける姿勢を常に見せ、相手にとってイヤな動きを繰り返していた。74分に登場した新助っ人FWのリンスは、浦和が引いて守っていたため、自慢のスピードを出せなかったが、裏を狙う姿勢を見せて、相手を揺さぶろうとした。

 運動量が豊富で、仕掛ける意欲が強い大森。スピードがあって裏への選択肢をチームにもたらすリンス。そこに、この日先発し、高さとポストプレーが武器の佐藤晃大も加え、攻撃陣のキャラクターと役割がはっきりと整理されていた。