困難な長期政権からの変革。ベガルタは「ジンクス」を破れるか (3ページ目)

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • photo by Getty Images

 そして、新監督はこう続けた。

「私がそこに何か加えるものがあるとしたら、それは継続性だ」

 あくまで従来のスタイルの継承を強調するアーノルド監督。あえて新監督の新たな色づけを挙げるとすれば、4-4-2から4-2-3-1への移行と、テクニックに優れたMF梁勇基のトップ下起用だろう。

 梁自身、「(中央に位置する)トップ下は、どこにでもボールを動かせるので面白い。ここからカウンターの形を作れればいい」と言えば、縦関係のコンビを組むエースストライカーのウイルソンも「(従来の2トップから)ひとりが下がってボールを受けることで、前にボールが出せる状態を作れる」と話す。ともに新たな連係の構築には好感触を得ている様子だ。梁が語る。

「最後の10分くらいで足が止まったのは課題だが、試合を重ねるごとによくなっている手応えはある」

 ここまでの仙台を見る限り、従来のよさは失われておらず、監督交代による混乱はうかがえない。アーノルド体制になってもなお、“仙台らしさ”は貫かれている。はたして仙台は悪しきジンクスを打ち破れるだろうか。

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