扇原が明かす。フォルランがチームに溶け込むのが早いワケ (2ページ目)

  • 浅田真樹●文 text&photo by Asada Masaki

 新外国人選手というと、合流したばかりのころはなかなか周囲との呼吸が合わず、苛立ちをあらわにし、それがさらなる悪循環となって連係が合わない、といったシーンをしばしば見かける。

 ところが、フォルランの場合、ごく自然にチームに溶け込んでいるように見える。扇原は「個人のレベルが高いし、そういうのは個人の力でカバーできてしまう部分もあると思う」と語るが、確かに初めてのチームでプレイする様子にも違和感がない。

 また驚かされたのは、フォルランの日本語能力だ。

 すでに来日直後の記者会見でも日本語のスピーチを披露し、ファンをあっと驚かせたが、練習後の取材などでも簡単な単語は早くも口にしている。

 扇原によれば、「わからない言葉があると通訳を通して意味を聞いて、携帯電話にメモし、(覚えた言葉を使って)僕たちと会話している」という。なるほど、覚えが早いはずである。

 試合中でも「ヨーイチロー、マエ!」などという声が聞こえてきたが、「前、右、左とかはすぐわかってくれる」と扇原。「簡単なコミュニケーションなら試合中でも取れるし、もう少し具体的なところはハーフタイムに通訳を通して確認するという感じ」だ。

 世界的ビッグネームがセレッソに合流して、およそ1週間。扇原は「もう慣れてきたので、『フォルランや!』とか、そんなんは思わない。もうチームメイトだから」と話すが、それでも素の姿に触れるにつれ、改めて偉大さも感じている。

「普段から日本語をすごく学ぼうとする、そういう人間性は素晴らしいなと思う」

 ピッチ内外でチームに溶け込む様子がうかがえるフォルラン。負傷の程度は気になるところだが、本領発揮はもうすぐなのではないだろうか。

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