2014.02.19

新生ガンバの意外な企み。遠藤保仁「FW」起用の真相

  • 飯尾篤史●文 text by Iio Atsushi
  • photo by Getty Images

 遠藤をボランチに戻したり、ベテランの二川孝広を2列目で起用したりする気はないだろうか――。そんな問いかけに対し、「それは試合の途中からでもできるから」と答えた指揮官は、きっぱりと言った。

「攻め勝つガンバと言うけれど、2年前、攻め勝てなかったから降格したわけで、3点取らなければ勝てないというのでは、長いシーズンは戦い抜けない。ベースの部分をしっかりさせておかなければ、いくら攻撃が売りと言っても、勝ち点は取れないと思っています」

 かつてのガンバには「4点取られても、5点取ればいい」という美学があった。言うまでもなく、ヨハン・クライフの哲学である。あるいは、2-0、3-0でリードしていても、追加点を狙いにいった。その結果、カウンターを浴びて点差を詰められる試合もあったが、その危うさ、スリルも含めて、ガンバの魅力だった。

 だが、今シーズンは1-0で勝ち切るゲーム、逃げ切るゲームが増えるかもしれない。少なくとも、それを狙う試合が、以前より増えるのは間違いないだろう。遠藤は言う。

「以前のサッカーとは変わりつつあると思う。失点しないという意識の割合が強くなったというか。それは、監督が第三者としてガンバを見ていて感じた弱点を修正しようとしているということ。もちろん、攻撃的な姿勢は常に持っていたい。そのうえで失点を減らし、勝負強くなれたら、より強いチームになると思う」

 長谷川監督のスタイルがガンバの新しいカラーとして定着するかどうかはわからない。ただ、確実に言えるのは、今シーズンは、ガンバが再び強豪クラブに返り咲けるかどうかを左右する、重要な1年になるということだ。

 J2で戦った2013年に、何を積み上げ、何を研ぎ澄ませてきたのか――。2014年は、それが問われるシーズンになる。

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