柿谷も山口も扇原も。誰もが認めた「フォルラン効果」 (3ページ目)

  • 浅田真樹●文 text&photo by Asada Masaki

 来日して以降、フォルランがトレーニングを行なったのは2日だけ。3日目にして迎えた練習試合とあって、さすがにコンディションは整っていない。実際、この日の試合でも、ボールコントロールが乱れるシーンは何度か見られた。だが、言い換えれば、コンディションが100%でなくてもこれである。今後、自身のコンディションが上がり、周囲とのコンビネーションが深まれば、さらなる活躍が期待できる。

 上々のデビュー戦にもフォルラン自身は、「練習試合であっても、このチームでの初ゴールを、ああいう形で決められたのはうれしい」としながらも、「無理してゴールにこだわるというより、コンディションを上げる中で慎重にやっていこうと思っている」と、冷静に状況を見極めている。

 63分間のプレイで早くもセレッソサポーターの気持ちをわしづかみにした背番号10だが、それでも本領発揮はまだまだこれからだ。

 フォルランは、はやる周囲をなだめるように、それでいて実に頼もしく語る。

「フィジカル的には本当に調子がいいし、あとはトレーニングを重ねていくだけ。(今日は途中交代したが、)1週間後くらいには、90分間出場することもできると思う。時間もあるし、トレーニングと練習試合を重ねていけば、より自信を持って臨めると思う」

 見せ場たっぷりの63分間。新シーズン開幕へ向けてセレッソサポーターならずとも楽しみが増す、フォルランのデビュー戦だった。

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