本田圭佑のプレーに自信とリズムをもたらしている3つの要素 (3ページ目)

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3■欧州水準のコミュニケーション力

 もうひとつ、本田が優れているのは「コミュニケーション力」。サッカーはチームスポーツなので、自分を知ってもらうため、相手を知るためのコミュニケーションが不可欠だ。バロテッリやカカ、デ・ヨング、モントリーボ、新加入のエッシェンなど、ヨーロッパの一線級の選手たちの中で、本田はヨーロッパのスタンダードがどういうものかを分かったうえでの振る舞いができている。ミランでも、まったく気後れすることなくそれができているところがすごいと思うし、そういうことができないと、ビッグクラブでやっていくことは難しいと思う。

 本田は、コミュニケーションを自分から積極的に取りにいっている。それは、自分がチームで認めてもらいたい、自分のことを知ってもらいたいから。今の本田は、何よりも結果を残さなくてはいけない。そのために早くチームに順応しなくてはいけないし、新しい環境に対応しなければいけない。その能力を、コミュニケーションも含めて本田は持っているし、受け身ではなく、自分から主張していく。選手が多国籍な欧州リーグでやっていくためには、本田のような自己主張とコミュニケーション力が必須ということだ。

 サッカーでよく言われることは、「自己主張するというのは、論理的に説明できるということ」。自分の考えを論理的に伝えないと、それはただしゃべっているだけになってしまう。ロジカルに、正確に伝えないと認めてもらえない。

 単に「なぜパスを出さないんだ」と言うだけでは足りない。それは文句でしかない。「どうして出してくれないんだ。俺はここにフリーでいるじゃないか。おまえがパスを出してくれたら俺はこういうことができたんだ」ということを言えるかどうか。それが非常に重要になる。

「先回りして俺の気持ちを察してくれ」ではない。サッカーのコミュニケーションはまず言葉で伝えることだ。「ピッチでは言葉が通じなくても大丈夫」という意見もあるが、欧州のトップレベルでは、言葉で、自分で主張していかないと伝わるものも伝わらない部分がある。

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