2014年、ザックジャパンが強化すべきポイントとは? (5ページ目)

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 W杯初戦の相手、コートジボワールは、選手個々の能力は高いがつけ入る隙は十分ある。彼らは最終的に個に頼ってくる傾向が強いので、そこを分断していくことが重要。攻撃陣にはドログバはもちろん、ヤヤ・トゥーレ、ジェルヴィーニョ、カルーやドゥンビアもいる。そうした個に対して、日本が組織で上回れるかの勝負になるのではないか。

 次のギリシャはおそらく3トップで、その左に入るサマラスは日本の右サイドから中央に入ってくるだろう。センターバックよりサイドバックと競ることが多いはずなので、マッチアップするのは内田篤人か酒井宏樹になるだろう。そこのところは、日本にとってウィークになるかもしれないので、警戒すべきポイントだ。

 また、コロンビアのエース、ファルカオは、2012-2013シーズンのヨーロッパリーグ決勝を(当時はアトレティコ・マドリード所属。現在はモナコ)現地取材したときにプレーを見たが、いわゆる全盛期のバティストゥータ(※)のようなタイプという印象だ。どこからでも点が取れるし、不器用そうに見えて技術力が非常に高い。背は高くないが空中戦に強い。一瞬の隙を逃さない。常にゴールを目指してプレーして、シュートのバリエーションも非常に多く、シュート力も強烈。だからこそ、まずファルカオにボールを出させないということが重要になってくる。
※セリエA・フィオレンティーナなどで活躍したアルゼンチン代表FW。2005年引退。98年フランスW杯では日本戦でゴールを決めた

 このグループリーグの3戦を含め、日本がどのくらい世界を驚かせるサッカーを見せることができるのか。もちろん、勝つために相手の嫌なことをやることも、駆け引きの中では重要になってくる。戦略家のザッケローニ監督は、戦術的な部分でいろいろな引き出しを持っていると思う。しっかりと対戦相手を分析して準備をして、そのうえで自分たちの良さを出そうとするはずだ。

 いずれにしても、フィジカルを前面に押し出すようなサッカーは日本の良さではないので、日本人が一番得意とする形で相手を上回って勝負していくべきだろう。それは、機動力を生かして、攻守両面に人数をかけ、高い技術力でフィジカルコンタクトを避けながらサッカーをしていくということだと私は思う。

 6月のブラジルで、相手のいいところを消しつつ、組織力、コンビネーションで上回り、勝ち上がっていく日本代表の姿を見てみたい。

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